もう古い話ですが、『プロ野球ニュース』を見ていた時に、当時【楽天】の監督をしていた野村克也さんが面白い事を言っておりました。
「勝ってボヤキ、負けてボヤキ、ぼやかずに済むのは、いつの日ぞ!」
この野村監督の発言は、意味が深いといつも感心しておりました。
あれはきっと選手に上手くなって欲しいという『親心の現れ』だったのでしょう。
私もずっと野球をしていた経験上、野村監督の気持ちはとてもよく分かります。
監督としては≪ミスがあっても試合に勝てばいい≫というわけにはいかないからです。
『プロの厳しい世界では、簡単に勝ち残る(生き残る)事はできない。』
それを充分に知り尽くしている監督ならではの発言だと思います。
監督はどんなに才能溢れる選手であっても、その選手の問題点(欠点)を見つけた時には、
選手任せにして目を瞑ってしまってはいけません。
なぜなら、その選手の問題点(欠点)が命取りになる事があるからです。
わが母校も今では福島県を代表する≪甲子園の常連校≫になりましたが、
私はまだ母校が無名の頃にトレーナーをしていた時期がありました。
その時に出会ったある選手は、当時のイチロー選手のようなフォームを上手く真似ていました。
見た目にはイチロー選手そっくりなのですが、残念な事に彼は全く打てませんでした。
なぜ打てなかったのか分かりますか?
打てない理由は、自分の技術力の足りなさもありますが、
一番大切な試合の状況判断や相手投手の心理を読む≪洞察力に欠けていた≫からなのです。
彼は常にイチロー選手のフォームを真似た≪自分の姿≫しか見ていなかったのです。
いくらフォームをコピーしても、打席に入る前の心構えやその時々の状況判断が出来ていなければ、打てるわけがありません。
そして大事な公式戦では、尚更≪使えない選手の一人≫となってしまうのです。
フォームや話す言葉は真似る事が出来ても『心を身につける』事はとても難しい。
『付焼刃は剥(は)げやすい』と言うように、 心が育っていない人は、肝心なところで自分自身の『自我』を露呈してしまいますから、
結局、同じ失敗を何度も繰り返す事になります。
長い歳月を経て培われた心を変えていく事は、大変な努力が必要です。
それは、今までの自分を捨て去る≪覚悟≫が必要だからです。
聞く耳を持っていなければ、自分の心を成長させていく事は出来ません。
【霊視】をしていると、相談者の方に苦言を言わなければならない時があります。
その時が運命の分かれ道になります。
なぜならば、大概に方々は腹を立てて私のもとを去っていくからです。
世の中には圧倒的に残念な方の方が多い。
それが残念でなりません。
『学ぶとは真似ること』 世の中には、形から入る人が多いようですが、本当は中身(心)から学ぶ事の方が先決なのです。
心を磨くというのは、口で言うほど容易い事ではありません。
一朝一夕にはいかないものだからです。
歯の浮くような言葉ばかりを聞いて喜んでいるようでは、どうにもなりません・・・。
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