48.私と娘の闘い
By.紫の上
１０年が経ちました。
今、２５歳の娘にとっての１０年、とてつもない位、長いものだったでしょう。
１０年前のある日から、娘が変わってしまいました。
誰よりも元気で明るい、いつも笑っている子だったのですが、
何故か暗く、無口になり、毎日だるそうで、寝てばかりいました。
最初のうちは“大丈夫？”とか、“どうしたの？”とか声をかけてたのですが、
だんだんと娘の態度に腹が立つようになり、二人の間に溝が出てきたように感じ始めました。
そうこうしているうちに、体のいろいろな部分の不調を訴え始めました。
頭が痛い・・・胃が痛い・・・気持ち悪い・・・
とにかく毎日、体調が悪そうでした。
だんだんご飯も食べられなくなり、やせ細ってしまいました。
何度も病院にも連れて行ったのですが、単なる対処療法だったり、
“気のせいだ”と言わんばかりの対応でした。
もちろん、出していただいた薬なんて効くはずもなく、病院に行くたびに落ち込みました。
急激な体重の減少により、一つの病気が見つかりました。
病名もわかったのですが、聞いたこともない病気で、薬も治療法もないと言われました。
これからどうしたらいいんだろう・・・私も落ち込みましたが、
娘は、まるで死刑の宣告を受けたかのように、毎日、
“なんで私が・・・何も悪いこといてないのに・・・なんで・・・”と泣き続けました。
助けてあげられるのは私しかいないと思いつつも、何をしたらいいのかわからず、苦悩の毎日でした。
せっかく、良い高校に入ったのに何で・・・
せっかく、大好きな陸上を始めたのに何で・・・
今思うと、私のどこかに娘の心配と同じくらい、世間に対する見栄があった気がします。
常に中学では１位、２位の成績で、そしてスポーツもできて・・・
それなのに、今は半病人のような感じ・・・
私の心もこわれそうでした。
出来る限り、良い病院という病院へ連れて行き、治療法がないか相談し、良いと聞いた漢方薬を飲ませ、
体の芯から治す整体や、はり治療が良いと聞けば連れて行き・・・
何年経ったでしょうか？
・・・全く良くならず、娘がもういいと言い出しました。
どうせ治らないから・・・どうせもうダメだから・・・と、
どんどん暗く、投げやりになっていきました。
毎日がつらくて仕方なかったのでしょう。
ある日突然、自分の部屋の物を投げつけ、気が狂ったように泣き叫び、自傷行為を行ってしまいました。
驚きました。声も出ませんでした。
幸い刃物の切れ味が悪かったため、大事には至りませんでした。
“私なんていらない人間なんだ”
“生きていても仕方ない”
“私の事なんて、もうママも邪魔でしょう”
・・・胸が痛みました。
いつも冷静な娘が、思い切り暴れたからでしょうか？
それからは少し落ち着き、病気とうまく付き合っていくよ、と言ってくれました。
しかし、それからも腫れ物に触るような日々は続きました。
毎日、娘の顔色を気にし、怒らせないように気を使いました。
私にとって娘は宝物で、自分の命よりも大切な存在なのに、なんでわかってくれないんだろう・・・
どうしたら娘を助けてあげられるのだろう・・・
私も心の葛藤の日々が続きました。
病気と同じ頃に、人間関係もうまくいかず、学校ではいつも一人ぼっちだった様です。
女、独特のいやな争いに巻き込まれてしまったようです。
また、心が痛みました。
約、２年前でしょうか？ 日宗先生と出会いました。
娘は全く病気ではなく、健康体だと・・・
不思議でした。
憑依体質で、いろんな影響を受けてしまい、体調を崩しているとの事！！
すべて霊障だったとは・・・
見えない世界・・・理解するのはなかなか大変でした。
しかし、娘は素直です。先生の霊視で出た所にお参りに行き、
毎日、先祖供養と、娘を頼ってきた霊の供養をしています。
あれほど苦しんだ人間関係も、何かのジャマが入っていたようです。
これからは、もっともっと良い出会いがあるとの事・・・楽しみです。
今の娘は時々七面山に行き、三輪山へは毎日行き、それから仕事という日々を送っています。
朝も起きられるようになり、ご飯も食べられるようになり、
何よりも、輝くような笑顔が戻ってきました。
日宗先生と出会い、私もいろいろ考えさせられる事があり、
今まで娘の本心を理解してあげられなかった事、どこか冷めた自分がいた事をあやまりました。
本当にゴメンね・・・と。
私たち母娘は今が一番幸せです。
これからもっと幸せになります。
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