交通事故などで【10対0】という具合に、一方的に片方の者だけが悪いという事は殆ど無いと言います。
それは、必ず双方に何らかの過失があるからだそうです。
これは交通事故に限らず、人と人とのケンカ(夫婦喧嘩も)においても言える事だと思います。
お互いに相手の事を罵ったり、責めたりする人たちを見かけますが、
案外、相手の事を強く責めたてる人の方に【非】がある場合の方が多いのかもしれません。
自分だけが正しくて、悪いのはすべて相手などという事は有り得ません。
これは別の話ですが、世の中には「私は他人が思っているほど馬鹿じゃないし、私はやれるんだ・・・」と思っている人がおりますが、
このような思いは自分自身を奮い立たせるには良いですが、謙虚さに欠けています。
このような傲慢さを持っている人は、必ず体の中から【習気(じっけ)】というものを醸し出しているものです。
初めのうちは、その自信満々の態度に魅了される人間もいるかもしれませんが、実のないメッキは次第に剥がれて行くのです。
最終的には、その傲慢さが他人を遠ざける結果となり、孤立してしまう事でしょう。
例えば、野球チームに所属していて、そのチームの監督に実力を認めてもらえずに使ってもらえなかったとします。
その時に「私はあの監督が思っているほど悪くない!」と思っているような人は成長しません。
いつまでも相手だけを責め続け「私は悪くない!」と思うような人間は、何度でも同じ失敗を繰り返すからです。
逆に「あの監督に使ってもらえない理由が、私のどこかにある筈だ・・・」と思って、謙虚に自己分析するような人は、どんどん成長して行くのです。
「相手にも原因はあるけれど、私にも自分で気づいていない【非】があるのではないだろうか?」と、
自分の【非】を見つめようとする人は、同じ失敗を繰り返さないものです。
【すべき事】をしながら謙虚に生きる人間は、いずれ大成するのです。