親を介護してこそ
人の優しさというものは色々とありますが、必要な時にそっと手を差し伸べて頂けるというのが一番有り難いと思います。
親切の押し売りは却ってありがた迷惑になる場合がありますから注意が必要です。
人間として生きていくには順番みたいなものがあって『助けて頂いたら、次は御礼をする!』というのが筋道だと思います。
一人で歩けない時には他人に助けを求め、自力で歩けるようになった途端に「はい、もう結構です!」みたいな義理人情のない事ではいけません。
しかし、現実的にはそういう事が多いのです。
つまり【喉元過ぎれば熱さを忘れる】わけです。
私は子供の頃から色々とありましたが、父にはとても可愛がって育ててもらいましたので、今度は私が礼を尽くす番になったと思っております。
ある時、相談者の方から面白い事を言われました。
それは「今は先生にとって、とても大変な時でしょうが、先生はお父様を引き取られてから、人生が好転して来ているのではありませんか?」というものでした。
これはズバリその通りなのです。
私にとっては肉体的・精神的にとてもキツイ時もありますが、特に最近は必要な時に必要な物が与えられているような気がします。
今は自分にやれる事しか出来ないのが現状ですから、無理が利かないのです。
介護をしながら、自分の体調をみて自分に出来そうな事をするのみです。
これが理にかなっているという事なのでしょう。
つまり、無駄が省けているわけです。
介護最優先そして仕事という感じですから、それ以外の事には今のところ目を向けようがないのです。
沢山の方々にご迷惑を掛けている事は、充分承知しているつもりなので、本当に申し訳ないと思っております。
先日、私の事情を理解してくださっている方々が、遠方より飛行機で訪ねて来てくださいました。
この方々も介護の経験をして来た人たちなので、人の痛みが分かるのです。
これが今の私には最高の癒しになっております。
【恩を仇で返す】事にならないように、今はしっかりと介護の修行をして行きたいと思っています。