観音様





今から13年前、十条の先生と共に、霊視とお祓いのため、

あるお寺へ行ったことがありました。



その時、十条の先生が小声で、

私にこう呟いたことがありました。



「日宗さん、この本堂にあるあの観音様は、いずれあなたのものになるよ!」



当時、いくら何でも、それはありえないだろうと思い、

私の心の中にだけしまっておいたのですが、

それが、昨年3月5日にそのお寺の本堂にあった

観音様を本当にいただくことになったのです。



和尚さんに事の次第を聞いてみたところ、

3月1日に、本堂にある観音様を誰かに譲ろうかと思っていた時に、

突然「日宗さんにあげよう!」と思ったというのです。



くしくも、その3月1日というのは、我が師、十条の先生の、

4回目の命日に当たる日でした。



なんとも不思議なご縁に、ただただ驚くばかりです。



観音様は、自分の体をいためても、求めてくる相手を労(いたわ)り、

優しくつつんでくれます。



緊張した心も体も、ゆるやかに、微笑みながら、ほぐしてくれます。



本当は、みんなにおねだりされて、相当疲れているはずなのに、

そんなことを微塵も見せないで、やさしく微笑んで下さいます。



なんと、ありがたや!ありがたや!



その笑顔を見ているだけで、気が休まります。



生きる辛さを知っているからこそ、

優しくなれるのだろうなと思います。



求めてくる者があれば、ただ「うん・うん」と頷いて、

一心に尽くしてくださいます。



見返りなど、まったく気にもせず、ただ、与えるのみ!

気を回しすぎたりすることなく、求められたことだけを、

一心にやってくださるのです。



すごいよなぁ〜と思います。



よくよく考えてみると、腹を立てる場合というのは、

私達の心の中のどこかに「こうしたら、こう返ってくるだろうな?」などという

見返りを期待しているような、助平根性を持っているからなのですよね。



自分の予想と違うことが起こると、

つい腹を立ててしまうのが人間です。



いつも観音様のように

「ただ与えるのみ!」の気持ちで生きたいものですね。



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